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2008年09月08日 Mon

会津・喜多方「長床」

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3月の雪景色のスケッチです。建物は長床(ながとこ)という鎌倉時代の拝殿です。
正式には新宮熊野神社の拝殿です。社伝によれば源頼義、義家親子が「前九年の役」天喜3年(1055)陸奥征討に赴いたとき、武運を祈って紀州熊野から熊野堂村(現在の河沼郡河東町)に勧請鎮座したのが始まりで、後に「後三年の役」で再びこの地を訪れた義家が、新宮の地に移すよう命じ、寛治3年(1089)完成といわれています。
この建物の魅力は、パルテノン神殿を思わせるような、丸柱の列柱によるシンプルで力強い架構にあります。この架構を見ていると、構造の純粋さと単純につくること大切さが伝わってきます。印象深い構造体は、どなたにも一度は見に行ってもらいたいと思える感動があります。(画・文 郁夫)

会津・喜多方「長床」