プロジェクトレポート
2018年05月02日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 八王子の古民家再生
都内では珍しい、茅葺き農家の再生を依頼され、4年掛かってようやく工事に入りました。
解体後の、美しい架構が見える工事の途中で、見学会を開催しました。
古民家には、日本の木造住宅のルーツがあります。
太くて丈夫な、大黒柱や梁の軸組部分と、屋根の架構の違いを見るにはちょうどよい時期です。
桁や梁の木組の軸部は大工仕事で、丸太の扠首など縄で縛り付けた屋根は、屋根職人の仕事です。
あまり知られていないことですが、このような伝統の木組は台風や地震の力を、揺れることで逃がす仕組みでできています。
減衰設計といいます。超高層ビルと同じ考え方です。
それに比べて、在来工法は全く別の仕組みです。日本の家の構法は、明治の西欧化ですっかり形を変えてしまったのです。
現代の一般住宅はすでに日本の伝統の建物ではありません。和洋折衷です。
伝統の民家に比べると固く金物で縛って、自然に対抗する考え方の強度設計です。
今回は、日本の家のルーツを古民家にたどり、架構に学ぶことが目的です。
木組ゼミの受講生や、建主さんや、日大の学生さんも見えて盛況でした。
これを機会に、少しでも古民家の魅力に触れていただけれたなら幸いです。
いい時期にまた、見学会をやります。乞うご期待!