プロジェクトレポート
2013年05月16日 Thu
ブログ | プロジェクトレポート | 南房総の古民家再生
解体工事が進むにつれて、床下や屋根裏の骨組みが見えてきました。
明治40年の建物は、実に丈夫な骨組でできています。
特に、床下と屋根を支える木組みが丈夫です。
床下の足固めには、太いボルトを使っていました。
このころになると、大きな金物が手に入ったのでしょう。
足固めは、松材の8寸板で土台併用です。
土台は腐朽が少なかったのですが、足固めの松材はほとんど取り替えました。
また、床下の湿気で結露したボルトは、木の栓に取り替えました。
足固めは、桧の4寸角をクサビ締めしました。金物を避ける作り方です。
クサビ締めの足固めは、奄美大島のヒキモンづくりに学びました。
建物が動いても壊れない、丈夫な床下をつくります。
日本の伝統構法が息づいていたころの古民家ですから、木組の知恵と工夫でで改修しました。
「限界耐力設計法」という構造の解析のおかげで、伝統構法の建物に適した再生が可能になりました。
基礎石の上に建物を載せたままで、構造補強ができるのです。
丈夫な骨が出来上がり、これからいよいよ断熱改修と心地よい仕上げの始まりです。