プロジェクトレポート
2006年09月13日 Wed
ブログ | プロジェクトレポート | 検見川の家
2010年度 漆喰作品賞受賞
第七回木の建築賞「山と建てる賞」受賞
「検見川の家」が完成しました。
本格的な和風の住宅です。太い柱、太い梁がしっかりとした骨組みになりどっしりした家になりました。
民家の持っている力強い木組みの醍醐味を存分に発揮できたと思います。
せがい造りで2階が張り出しているので、二重三重に組まれた梁は最大5段にもなります。
両せがいなので迫力ある架構になりました。1階のデッキも広々と気持ちの良い外部空間になりました。
建主さんは木工を趣味にする木が大好きな方で、日本建築にも造詣が深く、
使われている欅と松はご自分で探してこられました。
欅の古材は玄関ホールと和室でこの家を支えています。
2階の梁に使った松丸太は福島の山まで選びに行かれました。
ご一緒して製材所を訪ねたのも楽しい思い出です。
持井工務店もはりきって仕事をしてくれました。7メートルの松丸太を刻む仕事は、
大きな下小屋を持っている持井工務店ならではの仕事です。
建て方は若い大工さんも大勢加わって賑やかに行われました。
上棟後の設計監理は、現場で建主さんにお会いするたびにお酒をいただき、
木や山、技術の話などに意気投合しながらの、楽しい監理でした。
行くたびに良くなるこの家の完成が近くなるにつれ、通えなくなるのが寂しいような妙な気持ちになりました。
秋晴れの日に行われた完成内覧会は遠方からも大勢の方がお見えになり大盛況でした。
夜は建主さんのご厚意でこの家最初の宴会をしました。
持井社長並びに松澤棟梁、若い現場監督も大いに力を出していただき、みんなでできた家です。
みなさんありがとうございました。
設計 松井郁夫建築設計事務所
施工 持井工務店
山 天竜、福島材
撮影 奈良岡 忠、松井郁夫建築設計事務所
五段に組んだ梁の隙間から漏れる灯り。
松丸太が頼もしく架かっています。古材の存在感が、空間を引き立てます。
南の光が吹き抜けのスリットを通して、家全体に回ります。
ストーブもアクセントになっています。
二階の寝室です。
欅の大黒柱は古材です。床は栗を使いました。広々としたデッキで地域との交流をはかります。
奥様と打ち合わせを繰り返し、使いやすいキッチンにしました。
和室には、旦那様の持ってこられた木の板のテーブルが置かれました。