プロジェクトレポート
2016年03月13日 Sun
ブログ | プロジェクトレポート | 日記 | 高円寺の家
日本の伝統的な家の床下は、風通しを良くすることが常識です。床下を解放することで、湿気の多い梅雨時にも木材を乾燥させていました。
ところが現在の家のように、ベタ基礎が一般的になってその常識が覆りそうです。場合によっては、床下のコンクリートや断熱材の裏面が結露するかもしれないというのです。
床下の断熱には二通りの施工方法があります。基礎コンクリートに通気を取り、一階の床下に断熱材を入れる「床断熱」と、基礎コンクリートと土台を密閉して基礎コンクリートを断熱する「基礎断熱」です。
計測の結果、「床断熱」の結露の危険性が指摘されました。周辺環境の違いもありますが、風通しが悪いはずの「基礎断熱」のほうが危険性の少ないことが報告されました。
床下を密閉するということは、結露には不利なような方法ですが、床下が解放されている場合、湿度の高い空気が床下の冷やされた空間を通るときに露点温度に達するのです。
むしろ、床下も室内と同じように空気が通うようにして一体化すれば、床下の湿度環境はよくなるということです。さらに床下にエアコンで暖房を施せば、温熱環境も向上します。
今回、工学院大学中島研究室の石川さんが、一年を通して「高円寺の家」を計測していただいた結果です。
わたしたちは、伝統的な家づくりを実践しながら、科学的な検証もおこなって家づくりを進めています。