プロジェクトレポート
2016年01月12日 Tue
あけましておめでとうございます。正月気分の抜けない3連休に、二つの建築展を見に行ってきました。
ワタリウムで開催されている、ブラジルの女性建築家「リナ・ボ・バルディ展」ーブラジルが最も愛した建築家―と六本木ヒルズ 森美術館で開催されているイギリスの建築家ノーマン・フォスターの「フォスター+パートナーズ展」ー都市と建築のイノベーションーです。
ノーマン・フォスターは、サー(卿)の称号を持つ英国が世界に誇る建築家です。
わたくしが、事務所を始めたころ、フォスターの画集が3巻出版されて初期の作品が掲載されたときは、枕元に置いて毎晩眺めながら寝ました。分かりやすいイラストによるプレゼンテーションに魅せられました。スケールの大きなプロジェクトから小さな住宅まで、飽くことなく見たために画集はボロボロになりました。
今回の展覧会は、最近の作品を見る良い機会でした。本来、架構や構造のシステムの長けている建築家ですが、組織的な展開を駆使し、各国の空港など見ごたえのあるスケールでした。日本では住宅の設計も、実現されていることを初めて知りました。
2002年に、イギリスに行って実際の建物を見る機会がありましたが、全体と細部のバランスの良さに驚きました。ネジ一本にまで気を抜かない精度です。
会場が、六本木ヒルズの最上階 東京シティビューということもあって、フォスターの展示にぴったりの都市空間でした。
http://www.mori.art.museum/contents/foster_partners/
ワタリウムのリナ・ボ・バルディ展は、今回初めて知った女性建築家ですが、あのザッハに似た風貌で驚きました。
こじんまりとした展示で、第二次大戦前後の作品展でしたが、モダニズムの初期の作品とも思えない土着との融合があり、時間の流れに耐える先進性を持った建物の展示でした。スイスの建築家マリオ・ボッタ設計のワタリウムの建物に似合ったスケールで、心地よい印象でした。
http://www.watarium.co.jp/museumcontents.html
年明けから気の引き締まる二つの建築展でした。今年も例年同様、あけても暮れても建築のことをずーっと考える一年になりそうですが、よろしくお願いいたします。