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2013年11月15日 Fri

大工育成塾の教え子たち

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11年前より、国土交通省が大工の育成を行っています。

きっかけは、町の工務店から職人の徒弟制度が失われたことによって、優れた伝統の大工技術を伝承することが困難になったことです。そこで、国家プロジェクトとして伝統技術を学ぶ「大工育成塾」を立ち上げました。

3年間、大工志望の子どもたちを工務店が預かり、実践を学ばせるとともに、職人に必要な座学を教え、将来の棟梁に育てることが目的です。今年で11年目になりますが、提唱者の住宅産業研修財団の理事長・松田妙子氏のもとで、すでに多くの大工志が巣立っています。

わたしは立ち上げ当初から、教科書づくりをお手伝いしました。設計図の描き方の講師も続けさせていただいています。おかげさまで、教えた子供たちが、わたしが依頼する工務店の大工として働いているので、いまでは一緒に仕事をすることができます。

今も、八王子の家の墨付けをしているキューブワンハウジングの村井君や、我孫子の家の刻みをしているタケワキ住宅建設の篠塚君は、現場で会っています。先日は、優良工務店会の講演会で、二人の卒業生と会うことができました。どちらも、今では立派な工務店の顔になって働いています。

10年一昔といいますが、入塾式の時に「君たちと仕事ができるようになるといいね」と挨拶していますが、それが確実に実現しています。最近とみに、日本の未来を支える若い大工たちと、一緒に仕事ができる喜びをかみしめています。