2020年07月04日 Sat
滋賀県木之本宿に建つ「北国街道」に面した町家で、江戸時代から参勤交代には「本陣」として使われていた薬屋です。
昭和40年代には、隣のRCの建物に薬局を移して、本陣を住居としていました。
街道に面した表構はよく残っていましたが、275年の風雪に耐えてきた架構は、痛みが激しく何度かの豪雪に傾いていました。
また、内部は座敷の続き部屋で、暗く寒い状態でした。
そこで、耐震性能と温熱性能の両方を向上させる設計としました。
まず、傾きを直し、傷んだ柱は根継を施し、限界耐力設計法により、板壁や足固め貫の耐力要素を加えました。
温熱性能の向上は住居部分に限定し、約65坪の平屋を第三種換気により床置きエアコン一台で空気の流れをコントロールすることに成功しました。
北国街道に面する外観は大きく変えることなく、瓦・看板・格子は既存のまま、外壁の黒漆喰・建具は既存補修としました。
古民家の再生でありながら、耐震と温熱の改修を省エネで実践した事例です。
2019年第5回日本エコハウス大賞リノベーション部門で大賞を受賞しました。
2020年 ウッドデザイン賞 を受賞しました。
2020年11月に登録有形文化財に指定されました。
所在 | 滋賀県長浜市 |
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構造規模 | 木造2階建 |
敷地面積 | 844.00㎡(255.31坪) |
延床面積 | 312.93㎡(94.6坪) |
建築費 | ― |
設計監理 | 松井郁夫建築設計事務所 |
施工 | 橋本工務店 |
構造監修 | 川端建築計画 |
温熱監修 | 夏見工務店 |
竣工 | 2019年7月 |
構造材 | 古材 |
床板 | 杉 厚15mm |
外壁仕上 | 屋根:瓦 外壁:黒漆喰 |
断熱材 | 壁:スタイロフォーム3B 80mm 屋根:セルロースファイバー300mm スタイロフォーム3B 160mm 床・基礎:スタイロフォーム3B 80mm |
内壁仕上 | 漆喰塗・土壁藁入り |
開口部 | アルミ樹脂複合サッシ (ペアガラス) |
2020年05月30日 Sat
大変ながらくお待たせいたしました。
コロナの影響で延期しておりました、第17期「木組のデザインゼミナール」を再開することになりましたので、お知らせ致します。
感染予防に努めながらの講座となりますが、会場は例年通りの松井事務所です。
今回は、延期に伴い「木組講座」と「古民家講座」「温熱講座」の開始に合わせて、「美術講座」「理論講座」を9月に移しての開催です。
毎月3つの講座を開催しますのでタイトなスケジュールですが、先に申し込みをされた方達に配慮いたしました。
ソーシャルディスタンスを確保しての受講となりますので、通常より少ない人数で行いたいと思います。席はどの講座も、残り3席程となっております。
どうぞお早めにお申し込みください。
なお本講座開催中に会場近くで「木組の家」の新築現場が始まりますので、随時見学しながら学んで頂ける良い機会になります。
また、新刊「初めての人にもできる!木組の家づくり絵本」を副読本として差し上げます。こちらもお見逃しなく!
下記リンクをクリックしてご購入ページをご覧いただけます↓
リモート講座もあります。
詳しくはお問い合わせください。
木組ゼミのお申込みはこちらから↓
「木組のデザイン」ゼミナール2020 お申込み
ブログ | プロジェクトレポート | お知らせ | 「木組のデザイン」ゼミナール
2020年05月13日 Wed
難しいと思われている「木組の家づくり」のノウハウを公開!
ロングセラーの「木造住宅【私家版】仕様書」をさらに取り組みやすく、
優しい絵本で解説しました。絵を見ていれば木組の家づくりが体得できます。
初めての人にもできる木組みの家です。もうすぐ書店に並びます。乞うご期待!
ブログ | プロジェクトレポート | お知らせ | 連載・執筆
2020年05月07日 Thu
実測調査から3年が経ちました。
徐々に出来上がってきましたが、まだ最終の形が見えてきません。
ロフトの様子は見えてきましたが、下地の補強や断熱材の挿入や設備工事の下準備に追われています。
もう少しすると仕上がりの状態が見えると思います。
コロナの影響で進行が遅れています。どの現場も大変です。
ブログ | プロジェクトレポート | 川口の古民家再生
2020年05月04日 Mon
鶴見の古民家調査に行ってきました。
関東大震災のときに生き残った部材を使って建てた家です。97年前の平家です。
二階建てを増築していますが、実測調査の結果、平屋の小屋組みは、立派な骨組みだと分かりました。
これから、実施設計が始まります。乞うご期待!
ブログ | プロジェクトレポート | 鶴見の古民家再生
2020年05月04日 Mon
これまで難しいと思われて来た「木組の家づくり」を絵本にしました。
初めての人にも取り組めることができるように、楽しいイラストで解説します。
いよいよ今月発売予定!ウエルパイン書店 第二弾 2700円
ブログ | プロジェクトレポート | お知らせ | 連載・執筆
2020年05月02日 Sat
この度、松井郁夫建築設計事務所では、以下の期間を休業とさせていただくこととなりました。
ゴールデンウィーク休暇期間
5月2日(土)~5月6日(水)
お問い合わせに関しては、5月7日(木)より順次ご対応させていただきます。
ご不便をお掛けしますが、何卒ご了承の程お願い申し上げます。
2020年02月19日 Wed
当事務所のすぐ近くで「木組の家」の新築が始まります。
実施図面を終えて、1/50の模型を造りました。音楽好きの若いご夫婦の住まいです。
階段室いっぱいの本棚。子供が増えても区切ることができるガランドウの部屋。
住宅密集地に建つので、吹き抜けから南の光を取り込見ました。
規模は小さくとも音響と温熱に配慮した快適な家になります。乞うご期待!
2020年02月13日 Thu
先日出版記念パーテイを開催した折に、みなさんからお褒めいただいた、拙著「古民家への道」の広告を再掲します。
13軒の再生事例をオールカラーで紹介し、古民家再生の「理念」と「実践」を描かせていただきました。
古民家を主題にしていますが、実大実験を踏まえた「木造住宅のこれから」が見えます。
美しい「歴史的な町並みづくり」にも貢献したいと思っています。
まだ読まれていない方は、ぜひご一読ください。
「むかし」の良さを「いま」に伝え「みらい」につなげることができれば幸いです。
ブログ | プロジェクトレポート | 連載・執筆
2020年02月06日 Thu
2020年2月2日 上野精養軒に於いて「2019日本エコハウス大賞受賞+「古民家への道」出版パーティ」を執り行いました。
当日は、北は北海道から南は沖縄まで、受賞された古民家のオーナーはじめ建築関係者から友人、親族まで、約120名のみなさんがお祝いに駆けつけてくださいました。
建築界の大先輩の先生方や多くの友人達からも祝辞をいただきました。
拙著の講評や励ましお言葉も、身にしみてありがたく拝聴しました。
いただいたお言葉の中に、これからの「仕事」や「社会」に向き合う多くの助言や激励は示唆に溢れ、背中をドンと押されました。
また、松井事務所のこれまでの実績を評価していただけてとても感謝しています。
どうやら65歳になったばかりのわたくしは、これからが始まりのようです。(笑)
また、受賞された古民家の「漢方の本陣」は来年登録文化財になるそうです。
だれよりもオーナーご夫妻に喜んでいただけたのが、嬉しいことでした。
フルートのアンサンブルや「和力」の民族演芸も加わって、にぎやかに和やかに会を終えることが出来ました。
みなさん!本当にありがとうございました!
楽しい思い出と元気をいただき、もうひと頑張りする気になりました!
これからも、松井事務所を引き続きよろしくお願い申し上げます!
2020年01月24日 Fri
第一法規という建築の法規専門誌の「会社法務」という機関紙に、松井が取材を受けました。
「古民家と木組の家」について、伝統の木組を現代に活かしながら温熱の向上を目指しているという話をしました。
また、最近出版した「古民家への道」(ウエルパイン書店)も紹介していただきました。
ありがとうございました。
2020年01月19日 Sun
2020年の年明けから地球規模の災害や紛争のニュースが目白押しです。
オーストラリアの大規模な森林火災は、多くの動植物の命を奪いました。それも大雨が降って収束する様子ですが、その豪雨がさらに森や住民を脅かしています。またフィリピンやガラパゴス島では火山が噴火して予断を許しません。
トランプの政治利用で勃発しそうであった中東危機は回避されたようですが、イラン市民は長い間の制裁にあえいでいます。インドとパキスタンもカシミールの民族抗争のため核戦争になるかもしれないほどの危機です。
また日本は古くから自然災害の国ですが、本来国民を守るはずの政治が混乱していて、災害予防資金が捻出できていません。いつか来る東南海大地震には市民が各自で備えるしかありません。
元日本ボランティアセンター所長の岩崎駿介さんは「地球市民がともに手を携える時代が来るには、あと何発かの原発が爆発して、世界の人達が本当の危機を感じることが出来てからだろう」といいます。
この危機を乗り越えるには「地球人として生きる」必要性を感じます。グレタ・トゥーンベリ(17)さんが言うように、これはわたしたち大人の責任です。
わたしたちには生命の源である地球環境を守りながら、生活を営む方法がいまこそ求められていると思います。わたしたちの活動は、環境に負荷をかけないエネルギーを使い、自然環境の持続を支える生活ができるような創作活動でありたいと思います。
2020年 年頭に想う 松井郁夫
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2020年01月17日 Fri
1995年1月17日5時46分に発生した「阪神大震災」から今日で25年が経ちました。
当時の衝撃は今でも忘れません。6434人の方が亡くなり、そのうち建物や家具の下敷きなった人は約5000人。
お亡くなりになった方々に追悼の意を表したいと思います。
「阪神大震災」はいまだに、わたしたち建築に携わる技術者にとって、建物が人命を救えなかったことが大きな悔いとなってのしかかっています。
それまでは「木造住宅は地震に強い」と聞いていたのに…。わたくしは、その時のショックから地震に強い建物を目指すことを設計者としての使命としています。
その3年後に「地震に強い木造住宅」を冊子にまとめました。それが「木造住宅【私家版】仕様書」という技術書です。大工さんから聞いていた日本の住宅の地震に対する工夫を描きました。おかげさまで1998年に発刊して以来、4回の改訂を重ねています。
いつ起きるかもしれない大地震に耐える家づくりは今も大切だと考えます。あらためて今日の震災の日を迎えて人命を守る家づくりを肝に命じたいと思います。合掌…
【写真】は、阪神大震災で倒壊しなかった納屋です。
この建物は「通し貫」が粘り強く効いて、建物が傾いたところで崩壊を免れて止まっています。もし、この中に人がいても生存できたでしょう。「貫はやめてはいけない」と思います。
2020年01月08日 Wed
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2020年01月01日 Wed
2020年 新年 明けましておめとうございます。
今年は、当事務所も設立35年目に入ります。
これもみなさまのご支援、ご鞭撻のおかげと感謝申し上げております。
おかげさまで、昨年は「鎌倉古今」の開業で年が明け
4月には「さくらさくみらい保育園」の開業。
10月には「ウエルパイン書店」の設立と、拙著「古民家への道」出版。
さらに11月には「漢方の本陣」が2019年日本エコハウス大賞受賞等
嬉しい出来事が続きました。
今年は出版事業の第二弾として、これまでの住まいづくりの実践を
わかりやすくまとめた「木組の絵本」を春までに出版したいと思います。
何かと難しいと思われがちな「木組の家」の造り方を見やすい絵本にして
多くの方に日本の家の「用」と「美」を実践していただければと考えております。
また、地球環境に負荷をかけない「木」という優れた天然資源の循環を促しながら
「豊かな暮らしのできる家」をつくり続けたいと思います。
みなさま今年もよろしくお願い申し上げます。
松井郁夫建築設計事務所一同
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