プロジェクトレポート

2020年01月17日 Fri

「阪神大震災」から25年

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1995年1月17日5時46分に発生した「阪神大震災」から今日で25年が経ちました。

当時の衝撃は今でも忘れません。6434人の方が亡くなり、そのうち建物や家具の下敷きなった人は約5000人。

お亡くなりになった方々に追悼の意を表したいと思います。

「阪神大震災」はいまだに、わたしたち建築に携わる技術者にとって、建物が人命を救えなかったことが大きな悔いとなってのしかかっています。

それまでは「木造住宅は地震に強い」と聞いていたのに…。わたくしは、その時のショックから地震に強い建物を目指すことを設計者としての使命としています。

その3年後に「地震に強い木造住宅」を冊子にまとめました。それが「木造住宅【私家版】仕様書」という技術書です。大工さんから聞いていた日本の住宅の地震に対する工夫を描きました。おかげさまで1998年に発刊して以来、4回の改訂を重ねています。

いつ起きるかもしれない大地震に耐える家づくりは今も大切だと考えます。あらためて今日の震災の日を迎えて人命を守る家づくりを肝に命じたいと思います。合掌…

【写真】は、阪神大震災で倒壊しなかった納屋です。

この建物は「通し貫」が粘り強く効いて、建物が傾いたところで崩壊を免れて止まっています。もし、この中に人がいても生存できたでしょう。「貫はやめてはいけない」と思います。

2020年01月08日 Wed

2020年「木組のデザインゼミナール」17期募集開始!

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勉強会

2020年01月01日 Wed

2020年あけましておめでとうございます

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2020年 新年 明けましておめとうございます。

今年は、当事務所も設立35年目に入ります。

これもみなさまのご支援、ご鞭撻のおかげと感謝申し上げております。

おかげさまで、昨年は「鎌倉古今」の開業で年が明け

4月には「さくらさくみらい保育園」の開業。

10月には「ウエルパイン書店」の設立と、拙著「古民家への道」出版。

さらに11月には「漢方の本陣」が2019年日本エコハウス大賞受賞等

嬉しい出来事が続きました。

今年は出版事業の第二弾として、これまでの住まいづくりの実践を

わかりやすくまとめた「木組の絵本」を春までに出版したいと思います。

何かと難しいと思われがちな「木組の家」の造り方を見やすい絵本にして

多くの方に日本の家の「用」と「美」を実践していただければと考えております。

また、地球環境に負荷をかけない「木」という優れた天然資源の循環を促しながら

「豊かな暮らしのできる家」をつくり続けたいと思います。

みなさま今年もよろしくお願い申し上げます。

松井郁夫建築設計事務所一同

2019年12月31日 Tue

初めての人にもすぐできる木組の絵本を執筆中

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木組みの家が難しいと感じている方に向けて、松井事務所が日頃実践している優しい木組の家づくりを絵本にしています。

手書きのイラストの解説を付けて、初めての人にもわかりやすく、すぐに実践できるようにしています。

ウエルパイン書店より来年春頃の出版になると思います。乞うご期待!

2019年12月23日 Mon

岩崎駿介+藤本昌也 対談報告!

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昨夜は、松井が若い頃にお世話になった二人の師匠に事務所に来ていただき。お二人の再会とわたくしへの激励をいただきました。

岩崎駿介さんは、松井がこの世界に入るきっかけを与えてくれた都市計画家です。45年前にインダストリアルデザインを専攻していた学生が、横浜のアーバンデザインに感動して、都市設計の道に入る決心をしました。当時、岩崎さんは、横浜市の都市計画室長でした。そこで都市に目覚めたわたくしは、藤本昌也先生の率いる「現代計画研究所」に入所しました。都市計画と建築設計の両方をを手掛ける事務所で、都市計画室に配属され、お世話になりました。

その後、岩崎さんは国連の所員として、発展途上国に行き日本ボランティアセンター(JVC)を立ち上げられました。いまのわたくしと同じ年の64歳から茨城県の三郷で自力建設のご自宅を建設中です。先日、建築学会環境賞も受賞されました。素晴らしい木の家です。当事務所の「木組みゼミ」でも何度か工事のお手伝いをさせていただきました。来年もデッキの修理に出かけます。

藤本先生の事務所では、都市計画を学びましたが、故・田中文男棟梁との出会いも先生の事務所です。その後わたくしが大工棟梁のもとに修行に行くきっかけになった棟梁です。三澤文子さんは、後輩で歓送迎会が一緒でした。ふたりとも「藤本スクール」の卒業生でいまも「住宅医」で一緒に理事をしています。

久しぶりの再会で話は尽きなかったのですが、お二人にはわたくしの仕事のスライドも見ていただきました。お二人のお話をお聞きしながら、この世界の広さと深さをあらためて実感しました。

岩崎さんからは、「美しい街並みを作る会」を立ち上げようと提案いただきました。おふたりとも18歳年上の82歳ですが、しっかりしろと激励されてばかりで、緊張のあまり、写真を撮るのを忘れてしまいました!(笑)

ここには、お二人のポートレートを掲載させていただきます。岩崎さん藤本先生どうもありがとうございました!

64歳の若輩ものですが(?)これからもお世話になります!よろしくおねがいします!

2019年11月14日 Thu

日本エコハウス大賞受賞式報告

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日本には古民家が14万軒残っているといいます。年々空き家が増加する中に古民家も含まれています。それでも民泊法が施行されてから、古民家の利活用の道は広がりました。しかしながら、一方では「暗く」て「寒い」と言われ壊されている古民家の数も年々増えています。耐震性能不足から「既存不適格」というレッテルを貼られて壊されているのです。

これまで、古民家の改修は、耐震性能と温熱性能の両方を満足させることが難しいとされてきましたが、「漢方の薬局」は、275年前の建物でありながら、橋本工務店の施工と夏見工務店の温熱計画と川端設計の耐震設計、元所員の望月麻紀さんの素晴らしい作図のおかげで、全てをバランスよく改修できたことが評価されて、今回の受賞となりました。ありがとうございました。

これからも日本中に残る地域の歴史を包括した古民家の再生に取り組んでいきたいと思います。大変長い時間がかかりましたが、設計を依頼していただいた竹内さんご夫婦に感謝します。

 

 

2019年11月11日 Mon

川口の古民家再生報告

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埼玉県川口市に建つ民家は、昭和2年築の建物ですが古民家の要件を供えた立派な木造住宅です。

3年前から相談をお受けしていました。工務店の選定に時間がかかりましたが、ようやく工事が始まりました。

ご報告が遅れましたが、すでに何度かの定例会を重ねております。

工事を受けていただいた工務店は、山口工務店。松井が講師を務めた国土交通省のプロジェクト「大工育成塾」に教え子がいた工務店です。

本現場では、腕が良く、丁寧な神谷棟梁が、壁のモックアップを作って待っていてくれました。ありがとうございます。

建主さんを交えた定例会は、実にスムーズです。耐震+エコ改修の模範となる再生がまた一つ増えると思います。

引き続きよろしくお願いいたします。

2019年10月29日 Tue

「漢方の本陣」エコハウス大賞受賞!

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滋賀県長浜市木之本の古民家再生「漢方の本陣」が日本エコハウス大賞のリノベーション部門の大賞をいただきました。

耐震+エコ改修で、床下エアコン一台で65坪の生活空間を温めます。

足掛け6年間という長い時間を掛けて、丁寧に工事をしてくれた、橋本工務店のみなさん、耐震補強設計の川端眞さん、温熱設計のアドバイスをいただいた夏見諭さんありがとうございました。

何より275年前の古民家を再生することを決断し、私にこの仕事を依頼してくれた竹内夫妻に感謝です。

みなさん、おめでとうございます!

写真はエイ出版「フロアスタイリングBook」から

2019年10月03日 Thu

講演会のお知らせ

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横須賀で講演会を開催します。

「古民家への道」

2019年10月10日(木)13:30

ヴェルクよこすか4F 第一研修室・第5会議室

横須賀市 日の出町1-5

新刊本出版に先立つ講演会です。

「古民家再生」から「木組の家づくり」まで、その理論と実践をお話させていただきます。

お近くの方は是非ご参加下さい。

2019年09月25日 Wed

雑誌の取材を受けました

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古民家再生の実践が、本日発売の「フロアスタイリングB00K」(エイ出版)という雑誌の取材を受けました。

古民家の床下の造り方に着目してくれました。13ページの特集です。本文の抜粋。チラ見せです。

耐震と温熱性能の向上は床下に秘密があります。是非お手にとってご覧下さい。

 

 

2019年08月08日 Thu

「古民家への道」発刊予定

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「古民家への道」民家再生ー日本に住む!発刊

古民家に住みたいと望まれている方に!

古民家再生をしたいと望まれている専門家に!

古民家再生の真実。利活用の手法の一冊!

ブームとは一線を画す視点から書き下ろす

新たな価値観の古民家再生。

全国各地の古民家再生を手掛けている筆者が

自信を持って贈る待望の書!。

13実践事例、全ページオールカラー。

ここから始まる古民家再生!

2019年10月発売予定!

目次

古民家再生宣言

はじめに

序章:美しい日本の民家

第一章:民家の仕組みと構造

第二章:民家再生の理念

第三章:民家再生の課題

第四章:民家再生の実践

第五章:失われた百五十年

あとがき:これからの日本家をつくる

2019年07月03日 Wed

「漢方の本陣」竣工

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5年の歳月をかけて再生設計を続けてまいりました、滋賀県長浜市木之本の「漢方の本陣」がようやく竣工いたしました。

長い間お世話になった建て主さん、橋本工務店の皆さん、夏見さん、ありがとうございました。

今回棟札が出てきたことで、江戸時代「延享元年甲子」275年前の建設であることがわかりました。

丁寧な再生工事によってさらに200年の命を授かったと自負しております。

大きな吹き抜けのある室内をエアコン一台で温熱をコントロールする仕組みを採用しました。

古民家の欠点である「暗い・寒い」を解消する、明るさと温熱の工夫を付加したことで、建主様のこれからの生活を一新することになると思います。

建主さんから、「家に帰るのが楽しみになりました。」というメールをいただきました。

どうぞ地震に丈夫な「貫や足固め」の木組に守られた、「懐かしくてあたらしい」快適な生活をお楽しみください。

2019年06月24日 Mon

「野田の平屋」軸組模型ができました

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「野田の平屋」の軸組模型ができました。

丈夫な架構を支える地震に強い、門型フレームと足固め折置組のシンプルな軸組です。

居間では象徴的な大黒柱が力強く家族を支えています。

何世代にも渡る生活の変化にも対応できるように、間取りと架構を一致させ、長寿命の木組の家を目指しています。

大きな一枚屋根の下、ご家族の、のびのびとした生活を思い浮かべながら、実施に入ります。

 

 

 

 

2019年05月28日 Tue

雑誌住む。「鎌倉古今」掲載されました。

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6月21日発売の雑誌「住む」夏号に「鎌倉古今」の取材記事が掲載されました。

レポーターは旅行随筆家の山口由美さん。伝統構法の仕組みにまで踏み込んだ取材でした。

山口さんの鮮やかな文章ときれいな写真が魅力です。

同じ夏号に友達の記事もたくさん載っています。

日影さん、風紀建設、若原さん、大橋さん、迎川さん、内田さん、皆さん頑張ってますね。

書店でお手にとってご覧ください。

鎌倉古今

2019年05月24日 Fri

「野田の平屋」始まります

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ワークショップ「き」組ではすでにお知らせしましたが、

千葉県野田で、小さな平屋の家が始まります。場所は「花野井家住宅」の隣の敷地です。花野井家住宅は故・田中文男棟梁が復元した茅葺きの農家です。

「日本建築セミナー」という講座で田中文を棟梁に教えていただいたのは、30年前でしょうか?とにかく怖い棟梁で、設計者嫌いでしたが、宮脇檀さんやその他の設計者との共同で数々の名建築と名言を残しております。

inax.lixil.co.jp/Culture/1998/12word.html

口癖は「木造は軸組だ!」と架構の重要さを常に語っておられました。というか、怒られてました。(笑)

晩年は、コンペの審査員をご一緒させていただき、更に薫陶を受けました。最後にいただいた言葉は今でも忘れません。珍しく褒めてくれたからです。

そんな棟梁の隣で建てられることで、とても緊張しております。

木造は軸組だ!と架構の大切さを教えてくれました。
野田の平屋外観模型
シンプルな内部の架構と間取り

2019年05月14日 Tue

「漢方の本陣」内覧会報告

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一般公開に先駆けて、滋賀建築士会湖北部会の見学会を開催しました。

その後、長浜に会場を移して「古民家への道」と言うタイトルで、古民家に学ぶ木組みの家づくりの講演を行いました。

引き続き工事は続きますが、5年の歳月をかけた古民家再生の出来は上々です。

竣工写真を撮るまでのチラ見でした。

リビング・ダイニングの吹き抜け
ロフトの観覧席 下にはグランドピアノが置かれます