日記

2016年10月28日 Fri

東馬込の家が上棟しました。

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東馬込に家が上棟しました。

詳しくはこちらの頁からどうぞ。

東馬込の家 上棟しました! 構造見学会お待ちいたします。

2016年10月22日 Sat

「民家は生きてきた」伊藤ていじ・読了

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1963年に刊行された「民家は生きてきた」伊藤ていじ先生の再発行版を読み終えました。
緻密な取材と、古文書の解読に裏付けされた、かつての日本人の住生活の記録を、民家を通して現代に伝える名著だと思います。
各地の古民家での暮らしは、当時の長老への聞き取りや過去の文書に残る記録に基づいて書かれています。これほどまでに、事実に基づいた記述を読むと、まるで時代を超えてその場に立っているような錯覚に陥ります。
今では見ることのできない古民家の間取りを、丁寧な解説から遡って架構まで知ることができます。
この本の中で、伊藤ていじは言います。

伊藤ていじ「民家は生きてきた」

伊藤ていじ「民家は生きてきた」

民家の流れは、現代のコンクリートや鉄骨の架構につながる。
それは、動かせない柱や梁から成り立っているからである。
現代の住宅は、数寄屋の流れの延長上にある。
それは、架構から開放された自由な間取りから生まれた。
この論拠が、読み終えて一段と理解できる本でした。

2016年10月10日 Mon

2016年「木の建築賞」二次審査会が開催されました

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会津坂下の保育園で開かれた木の建築賞2次審査

木の建築賞は、デザインと活動を顕彰します

2016年10月8日、今年で12回を数える木の建築フォラム主催の「木の建築賞」の二次審査会が開催されました。全国を4地区に分けて、毎年優れた木の建築を顕彰する賞です。今年は北海道、東北、新潟地区の審査でした。一次審査を通過した22の作品と活動の審査会は、会津坂下の東保育園で公開で行われました。会場も木造の素敵なホールで、終日、発表者の熱い想いを聞く事ができました。
木の建築賞は、建物のデザインだけを審査するだけでなく、木造建築を取り巻く山の現状の問題点や課題にも取り組む姿勢が求められます。当事務所でも過去に二回の受賞歴があります。毎回の公開審査では、応募者のパネルに表せない事実関係や経過もあって、審査をさせていただいている審査員の方が勉強になる事があります。
今回も東北地区の蔵の改修では、震災前に直した蔵が被災し再度蘇った事例が、会場の参加者を驚かせ、高得票を獲得しました。このような経緯は、パネル審査だけでは、わからなかったことです。次は、現地審査です。二次審査を通過した11の作品を審査員が見て回ります。
さて現地ではどんなドラマが待っているでしょう。大変楽しみです。

2016年09月25日 Sun

ワークショップ「き」組の集会が催されました。

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今年で8期目を迎える、山と職人と住まい手を結ぶ 一般社団法人ワークショップ「き」組です。

年に一度の集会のもようです。

こちらからご覧ください。

「き」組集会で秋野先生に講演いただきました

 

2016年09月08日 Thu

古民家の用と美に学ぶ 連載中

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古民家の用と美に学ぶ 京町家の真実

京町家の真実

住宅建築10号 「古民家の用と美に学ぶ」 京町家の真実 連載中

繊細な京町家の内部の通り庭には、豪壮な梁組が飛んでいるのをご存知ですか?

詳しくはこちらをどうぞ。

http://www.kominkanet.com/column/post-22/

2016年08月17日 Wed

「民家は生きてきた」伊藤ていじ先生の名著のご紹介

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古民家の理念

名著「民家は生きてきた」

1955年「日本の民家」という二川幸夫さんの写真集に収録された、伊藤ていじ先生の民家研究の名著が復刻されました。

「民家は生きてきた」鹿島出版です。

この本で伊藤ていじ先生は、民家の流れは、地域に根差した構造・構法にあり、現代住宅の流れは、数寄屋の延長にあることを述べています。

詳しくは、こちらのサイトからご覧ください。

http://www.kominkanet.com/column/post-21/

2016年08月05日 Fri

古民家に学ぶわけ・⑤

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古民家の免震性能をご存知ですか?
古民家の足元が滑ることで、地震の入力を避けることができるかもしれません。
詳しくは、こちらから。

http://www.kominkanet.com/column/post-20/

石場置きは地震に強い

免震性のある石場置き

2016年07月25日 Mon

古民家に学ぶわけ・④

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古民家の室内は、ガランドウの空間がいいのだと思います。何もない室内は、融通無碍でいろいろな暮らしを受け入れてくれます。

詳しくはこちらからどうぞ。

http://www.kominkanet.com/column/post-19/

古民家はガランドウがいいと思います。

古民家はガランドウがいいと思います。

2016年07月18日 Mon

祝・世界遺産「西洋美術館」

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上野の西洋美術館が世界遺産に登録されました。おめでとうございます。

設計者のル・コルビジェは、フランスが世界に誇る現代建築の父です。彼の思想と設計は、世界中の建築スタイルを変えるほどでした。

それまでの古典主義を脱し、現代建築を創造した功績は、大いに讃えられていいと思います。建築を志した人で、影響を受けていない人はいないくらいです。

日本の「西洋美術館」を含めた7カ国17件のコルビジェの建築が世界遺産になったことで、その魅力と理念がますます一般の人にも広がるといいですね。

世界遺産に登録された西洋美術館

西洋美術館

2016年07月12日 Tue

古民家に学ぶわけ・③

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古民家は長生きです。何世代にもわたって生きてきました。

古民家は長生きです。何世代にもわたって生きてきました。

古民家サイトのブログを更新しました。

古民家が長い時間を丈夫に生きてきたわけを書いています。

こちらからお読みください。

2016年06月22日 Wed

古民家に学ぶわけ・②

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エッセイ「古民家に学ぶわけ②」

松井事務所の設計が、古民家に学んだ真壁である理由を、書かせていただきました。
こちらからどうぞ。

http://www.kominkanet.com/column/post-16/

works_kemigawa01

内外真壁の木組みの家

 

2016年06月20日 Mon

住宅建築・連載「古民家をゆく③」出雲が掲載されました

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出雲には本物がある。

たたら製鉄の現場から、その特異な建築物をレポートしました。

たたら場の木造建築物の根源的な迫力に迫ることができたでしょうか?

住宅建築8号です。どうぞお手にとってご覧ください。

出雲のたたら場の建物を取材しました。根源的な迫力に迫ることができたでしょうか?

出雲のたたら場

2016年06月17日 Fri

「古民家に住む」パンフレットができました

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松井事務所では、新築と古民家再生の設計をしていますが、

この度、古民家再生のパンフレット「古民家に住む」ができました。

これまで、手掛けた古民家再生の事例をまとめた写真集です。

 

すでに古民家をお持ちで、どうにかしたいと考えている方。

どうぞご相談ください。

実測調査から、安心の耐震改修や快適な温熱改修まで、伝統の木組みの良さを生かした再生を行います。

 

古民家の古い木材に強い金物を使って補強することは、かえって家の寿命を縮めます。

当事務所では、金物に頼らない木組本来の伝統構法で再生いたします。

木の特性を生かした地震に粘り強く、省エネルギーの古民家再生を実現できます。

 

古民家に住むパンフレットできました

「古民家に住む」パンフレットできました

2016年05月29日 Sun

古民家に学ぶわけ①

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エッセイ「古民家に学ぶわけ①」

松井事務所がいつでも古民家に学んで設計している理由を書かせていただきました。
こちらからどうぞ。

http://www.kominkanet.com/column/post-13/

民家園をたずねた古民家再生ゼミ

日本民家園にて古民家に学ぶゼミのみなさんです

2016年05月12日 Thu

繰り返す地震に耐えるには?

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熊本の地震から1か月がたちました。震災で亡くなられた方々の、ご冥福をお祈りいたします。

今回の地震は、震度7の揺れが2度3度と襲ってくるばかりか、余震が連続して起こる、これまでに例のない災害となりました。

県民の象徴である、熊本城の惨状は目を覆うものがあります。いまだ納まらない余震の中で、避難生活を送られている方々の苦労は、計り知れません。

このように繰り返し揺らされるという想定のない、現行の建築基準法にとっても課題の多い地震です。

現行の金物で止めつける耐震の方法では、震度7の地震に一度だけ耐えることが想定ですから、今回のように何度も揺らされては、強度を増すために使用したはずの金物が木材を壊しかねません。

そこで早速、強い揺れにも耐えるように、現行耐震基準の強度を増した法規にするべきとの声があがっています。より耐震強度を上げて地震に対抗しようという方向です。

はたして、そうでしょうか?

今後も想定できない自然の猛威に、さらに抵抗することは可能でしょうか?建物の強度をどんどん上げることで、さらに地震の入力が増しますから、いたちごっこです。

では、わたしたちの先人たちは、この地震大国でどのように地震に対処してきたのでしょう。どうやら現在と違った独自の地震対策を行ってきたようです。

それは、自然の猛威に対して抵抗するのではなく、受け流す方法です。

むかしからの伝統的な木組の家には、壁の中に貫が入っていて、木のめり込みを利用して、大きく変形しても粘り強く崩壊しない壁を造っていました。また、継手・仕口という接合部は、揺れを摩擦力で吸収します。貫と継手・仕口によって、繰り返し揺られても元に戻る、「復元力」を備えているのです。

このブログでは、何度も繰り返しになりますが、「貫をやめてはいけない」のです。木と木を組むことで、地震力を減衰することができることは、実験によって検証されています。とはいえ地盤の悪いところでは、どんな建物もひとたまりもありませんが、先人たちは土地を選んで家を建ててきた経緯があります。

地盤の良いところもしくは改良してでも、「復元力のある木組の家」を建てることは、わたしたちの使命だと考えています。

 

bが貫(ぬき) 伝統構法では柱と柱の間に貫が渡してあり、これが地震の備えとなります

bが貫(ぬき) 伝統構法では柱と柱の間に貫が渡してあり、これが地震の備えとなります

2016年04月28日 Thu

がらんどうにつくるわけ

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住まいの室内はできるだけ、がらんどうがいいと考えています。

がらんどうというと、何も考えてないように聞こえますが、そうではありません。

住まい手の生活が変化する節目節目で、室内のレイアウトを変えたり、部屋の使い方が変わっても大丈夫なように、何を置いてもいいように、がらんどうに造っておくのです。

例えば、お子さんがいる時は子供部屋の仕切りが必要ですが、独立していなくなった時に広く使えるような取り外しのできる仕切りがいいと思います。家具で仕切ってもいいでしょう。

仕切りを取った部屋は、二人になったご夫婦の趣味の部屋にしてもいいですね。世代交代で、若い夫婦が住むことも考えられます。

つまり長い人生の時間の経過を予測して、部屋を作るのです。そのためには、柱や、窓の開け方などに、様々な想定をして、がらんどうの室内をつくります。

ここでも、広い空間をつくることができる木組の架構が役に立ちます。

長い時間を生きる住まいに、小さな部屋や、作り付けの家具などが多くてもいけません。長い時間を生きた古民家に学んだ知恵です。

わたしたちは、住まい手の暮らしの変化を見越した時間をスケジュールに組み込んだ家づくりをオススメしています。

がらんどうの室内

がらんどうの室内